平成20年7月25日発行 通巻116号
NPOリレーインタビュー
がんばれネットワーク
三重県男女共同参画・NPO室が発行する市民活動・ボランティアニュース2008年8月号掲載の芳野正英(よしの・まさひで)さんのインタビューです。
三重県内の市民活動団体の人をリレーで紹介していきます。但し、紹介するに当たってはルールがあります。1・同じ地域で無いこと。2・同じ活動分野で無いこと。さてどんな人がどんなふうに、つながっているのでしょう。NPO法人海の達人の大野木博久さんが紹介してくださったのは、四日市市の芳野さん。市民と行政の橋渡し役となる特定非営利活動法人「クロスポイント」で活躍されています。

市民活動団体と行政の繋がり、
本来あるべきカタチを作っていきたい。
特定非営利活動法人 クロスポイント
事務局長 芳野正英さんに聞く





行政と市民、生産者と消費者の交流拠点「クロスポイント」


……芳野さんはクロスポイントの創設メンバーですか?
僕が入会したのは1年ほど前のことです。創設は2000年頃で、理事長の宇野が立ち上げました。僕は以前から、宇野理事長と顔見知りで、入会前からまちづくりに関してのアイデアなどを出していました。その内に、「一緒にやろうよ」と誘われて、気付いたら事務局長に祭り上げられてしまいました(笑)。
……クロスポイントの活動内容を教えてください。
「行政と市民」や「生産者と消費者」というような相対する者の掛け橋、交流拠点となる目的で創設されました。スタート当初の主な活動は市民の声を行政に届けること。そのため、北勢サミットというパネルディスカッションを200年から2006年まで開催しました。北勢地域にある桑名市、四日市市、鈴鹿市の首長さんなどを招いて、防災や市町村合併など様々なテーマについて、皆さんのお話を聞き、我々市民からも意見を出すという企画でした。活発な議論の中、良い意見もたくさん出たのですが、その場の意見を現実に結びつけるのがなかなか難しいということもあって、現在はこの北勢サミットを別のカタチに発展させようと考えているところです。
……首長を招くには各市町との協力体勢が必要だと思いますが、その辺りはいかがですか?
北勢サミットを通じて、北勢の市町とは良い関係が作れてきているのではと感じています。四日市の施設で「なやプラザ」というのがありますが、ここは指定管理者制度が導入されていて、4つのNPOで構成されている「なやプラザ運営協議会」が管理しています。クロスポイントも構成団体ですから、四日市市との協力というか、実績づくりになっていると思います。
……この他に市民の声を行政に届ける企画はありますか?
行政窓口の満足度に関してアンケート調査を行っています。最初にアンケートボックスを置いてもらったのは四日市市役所。その後、三重県庁にも置いてもらいました。7月10日に、このアンケートを元にして四日市市職員とクロスポイント、市民の方々が協働でワークショップを行い、行政窓口のあり方について意見交換を行います。
役場に置いたアンケートボックス。

……従来なら市民の声を聞くのは行政の市民担当課の業務でしたが?
市民サイドで声を集めることで、行政主導で行う時とは違う、市民の生の声が引き出せるのではないと思い、行っています。もちろん、行政と対立するつもりは全くありませんから、同時進行で行えればよいと考えています。クロスポイント独自の活動としては、CTY(四日市市のケーブルテレビ)の番組を作成しています。月に2回、2本のニュースで構成された15分番組です。市民活動やNPO団体の活動、地域のお祭りなどを紹介するほか、最近では万古焼きや和牛生産者など、地場産品や生産者の方を取り上げています。
……ケーブルテレビの番組を買い取っているのですか?
逆にケーブルテレビから番組作成を受託して、年間制作費をいただいています。クロスポイントでは市民映像講座など、映像に関連した事業も行っていたのですが、その映像部門だけをメディアネット四日市として独立させました。この番組づくりは企画、取材などはクロスポイントが行い、撮影・編集は四日市メディアネットが行っています。作成した番組はケーブルテレビだけでなく、メディアネット四日市のホームページでも見てもらうことができます。新たに考えているのは映像を元にした町おこし。ゆくゆくは地元FM局やタウン誌などをミックスさせて、複合的なメディアの発信を行いたいと考えています。
……クロスポイントの活動費は番組作成費が主ですか?
現在20名ほどメンバーがいますが、年間1万円の会費を集めています。このほか、四日市市のまちづくり団体への助成金なども受けています。設立当初から、自力で運営したいと思っていましたので、北勢サミットの時はポスターに企業広告を入れるなどして、企業からも寄付金などを集めています。
北勢サミットの様子とポスター。


生産者をマッチングし、新たなブランドつくり
……今後、活動をどのように広げていく予定ですか?
今後はまちづくりというか、四日市市、ゆくゆくは三重県全体の活性化に取り組んでいこうと思っています。まず最初に、四日市市の地場産業の振興を図ろうということで、自分たちで新たなブランドを起こすことになりました。この事業は四日市市農水商工部と連携して行っています。その第一作目が万古焼きの湯呑み、急須などと伊勢かぶせ茶のセットです。
……そのアイデアはどこから?
クロスポイントの会員は中小企業の経営者や地域で様々な活動をしている人ばかりですので、皆さん、四日市を盛り上げていこうという気持ちは以前から持っていました。地域活性化策について話し合っている時に、理事長から「四日市産の伊勢茶を万古焼きの器で飲みたい。一緒に売ってはどうだろう」という話が出て、それぞれの生産者にお声を掛けさせてもらい、商品化しました。
……まるで経営コンサルタントや行政の商工課のような働きかけですが、それをNPOとしてやる意義は?
行政に頼るのではなく、我々自身ができるところまで、やってみたかったのです。ケーブルテレビの番組やホームページなど、ある程度の発信力も持っていますし、どこまでできるかはわかりませんが、取材で知り合った生産者の方たちと繋がって、ゆくゆくは一緒に商品開発ができればと夢見ています。
……他にアイデアは?
先日、伊勢市と伊勢商工会議所が地産地消のお店を認定しました。それを知って、先を越されたなあと。実は我々も同じ様なことを企画していたのです。せっかく、生産者の方と繋がりができたのですから、地元の産品を使いたいという意欲ある飲食店などとマッチングして、アピールしたいと、四日市市農水商工課と企画を進めています。そんな風に地元のお店が頑張ったり、大手のチェーンではないお店が増えていくことは活性化に繋がっています。地場産品を使ったメニューなどを企画したり、地産地消の仕組みが上手く作れて、盛り上がれば一つの成功かな。それにこういう活動なら、行政も協働しやすいですよね。
………現在は四日市市での活動がメインですが、今後、他市町に広げていくのですか?
メンバーの中には鈴鹿、桑名、津在住の方も数名いますので、四日市市で上手くいけば、同じようにそれぞれの地元で活動しようという動きもあります。その時はクロスポイントとして活動してもいいし、地元の団体と連携してもいいでしょうね。四日市市での活動も行政だけでなく、他のNPOとも協働していきたいと思っています。
………連携したNPOに、ノウハウを伝えることは?
ノウハウを抱え込むつもりはありません。四日市の様々なNPOが集まって、問題点などを話し合う四日市NPOセクター会議という集まりを2年前から行っているのですが、NPO実践講座という連続講座を本年度から行う予定です。まだ企画段階ですが、行政・他団体との関係づくりという講義を我々が担当します。
……四日市市と良い関係を築かれていますね。
ケーブルテレビの取材先にしても「この分野で頑張っている人、いませんか?」と聞いて、紹介してもらうこともあります。取材先も市が窓口になってくれると、信頼して対応していただきやすいですね。それに県庁にアンケートボックスを持っていった時、当初は受け入れてもらえなかったのですが、四日市市の場合はすんなり許可をもらえました。信頼関係ができつつあるのだと感じました。ただ、我々の事業に関して、行政に「一緒にやりましょう」と働きかけても、「一法人だけとは、なかなか一緒にはできない」と対応されることはありますね。四日市市は人口も多いし、市民活動も盛んになってきている手応えがあります。でも、市民活動団体の意識や活動に対して、市側の対応は少し遅れているような気もいます。昔に比べればNPOの存在価値もあがりました。協働を進めていくのであれば、市も次のステップに上がっていただきたいです。協働という言葉が、市民を使うための道具になっているような部分も、実際活動していると感じますから、そこは変えていきたい。市民活動団体と行政の繋がり、本来あるべきカタチを作っていきたいというのは、僕個人の想いでもあります。
伊勢茶と万古焼きをマッチング。こぶりな茶器が可愛らしいセットです。


特定非営利活動法人クロスポイント
510-0062 四日市市北浜田町12-21-104
Tel.&Fax.059-354-2221
E-mail cross-p@uno-1.co.jp
ホームページ
http://www.npo-crosspoint.jp/(クロスポイント)
http://www.medianet-yokkaichi.com/(メディアネット四日市)

芳野正英さんはこの人を紹介します。
伊藤嗣也さん

別山安全なまちづくり推進委員会委員長として、安心して暮らせるまちづくりを行っています。
おねがい
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