平成19年11月25日発行 通巻108号
NPOリレーインタビュー
がんばれネットワーク
三重県NPO室が発行する市民活動・ボランティアニュース2007年12月号掲載の世古口文子(せこぐち・ふみこ)さんのインタビューです。
三重県内の市民活動団体の人をリレーで紹介していきます。但し、紹介するに当たってはルールがあります。1・同じ地域で無いこと。2・同じ活動分野で無いこと。さてどんな人がどんなふうに、つながっているのでしょう。四日市市の松野 博さんが紹介してくださったのは明和町の世古口文子さん。柔らかい雰囲気が素敵な、自称「理事長らしくない」、NPO法人めいわ市民活動サポートセンターの理事長さんです。

みんなと手を繋ぎあって、
少しでも前進できればいいな。
NPO法人めいわ市民活動サポートセンター 代表
世古口文子さんに聞く



平成14年、めいわ市民活動サポートセンター設立


……めいわ市民活動サポートセンター(以下、センターと略)設立の経緯を教えてください。
平成10年頃、私が代表をしている明和町の女性グループ連絡会(現:明和町男女(みんな)の連絡会)の定例会で、ボランティアや市民活動の拠点となる施設が欲しいという意見が出て、明和町に設立と運営をお願いしたのが最初です。明和町女性グループ連絡会というのは、町内で様々な活動を草の根的に行っているグループの代表が集まった、ゆるやかなネットワークです。その後、当時の総務課課長さんから町の施設の一部が空くので、「女性グループ連絡会で運営してはどうですか」と持ちかけられました。でも、その時は私たちも受け身で、自分たちの活動もあるし、センター運営は難しいと思っていました。
……考えが変わった理由は?
その後、もう一度総務課長さんから「町としてはボランティア団体の拠点として使ってもらって構わない。運営をして欲しい」とおっしゃられたので、センターの設立を考えるグループを、明和町女性グループ連絡会とは別組織で立ち上げることになりました。呼びかけに7〜8人が応えてくれて、その内の一人に町職員もいち住民として参加していたので、行政に協力依頼をする方法などを教えてもらいました。話し合いが平成12年から13年にかけて続いて、その年の12月に趣意書を提出。平成14年4月に新たなメンバーも公募して、10月に開所しました。
……事務局スタッフはボランティアですか?
今年から町の委託契約が変わり、受託金から給与をだせるようになりましたので専従スタッフが一人います。それ以外はこれまで同様有償ボランティアとして7名くらいのスタッフが関わっています。専従スタッフができるまでは、午前・午後で当番を組んで、一日4人体制で運営していました。連絡は日記を活用していたのですが、どうしても連絡がもれたりすることはありますので、常時在駐しているスタッフの必要を感じていました。
……ボランティアスタッフはどうやって募集したのですか?
開所と同時にセンターの運営委員を募集しました。今は正会員という名称に変わっています。その中で、事務局スタッフをしてもいいという人を確認させてもらって、日程を調整していました。
……開所時間は?
月曜から金曜の午前9時から午後4時までです。他の市のようにもっと遅くまで開けていられるといいのですが、今は私たちにできる範囲でやらせてもらっています。
……夜、使用したい団体はありませんか?
鍵を取りに来ていただければ、夜10時ぐらいまで使ってもらってかまいません。ただ、このセンターを活動拠点にしている団体は少ないかもしれません。地域のコミュニティセンターなどを利用されていますよ。ここを拠点にしている団体もあれば、印刷時だけ使用するとか、団体によってここの使い方もいろいろですね。
……使用するには登録が必要ですか?
登録していなくても非営利団体なら、利用できます。同窓会の打ち合わせや子ども会、自治会、単発の方でも構いません。

地域に必要とされていることをテーマに活動

……センターの活動方針などは理事長である世古口さんが決定しているのですか?
センターの運営は理事会とスタッフを中心に、地域に必要とされていることは何かを考えながら行っています。実際の活動は毎年、達成したいテーマごとにチームを組んで、そのチームメンバーと理事会、事務局スタッフが実行している感じです。チームのメンバーは正会員に呼びかけて、それぞれが自分の興味のあるチームに参加します。複数掛け持ちで参加している人もいます。今年は青色回転灯を利用して防犯に取り組む「青レンジャー」チーム、子育て中のお母さん向けの情報誌を作るメンバーを支援している「はぐはぐ」チームなどがあります。
……青レンジャーの活動を教えてください。
町が所有している青色回転灯を装備した車を使って、週2回程度、それぞれ1時間ほどパトロールをしています。今後はその回数を増やしていければと思っています。元々、町がパトロールに取り組んでいたのですが、「住民の方も自主的にパトロールしてもらえると嬉しい」という話があり、車も貸してもらえることになりました。今年の春、放火が何件か続いたこともあり、地域の安全なまちづくりのために自分たちにできることがあればと始めました。
……青レンジャーは何人いるのですか?
30名ほどです。センター通信や防災無線を利用して募集しました。
……車を貸与してくれるなど、町との関係が良好ですね。
町の総務課も総合計画の中で「安心安全のまちづくり」に取り組んでいますから、青レンジャーに関してはこちらも協力をお願いしましたし、先方も「ぜひ、手を組みましょう」と。防災無線の利用も、車の貸与も総務課の方から申し出てもらいました。センター通信も全戸配布してもらっていますし、町には本当に助けてもらっています。ありがたいですね。
……明和町の人口は?
23000人くらいです。戸数で言うと7000戸弱です。
……それで全戸配布は凄いですね。
防災無線も全戸に備え付けられていますから…。何度も防災無線で青レンジャーの呼びかけをしてもらえたので「そんなに人が足りないなら、やってあげる」という方もいました(笑)。
……人口から考えると30人集まったというのはすごいですね。
募集を始めた時は週1回パトロールできればと考えていましたから、こんなに集まってくださるなんて思ってもいませんでした。でも、もっともっと声を掛けて、人を増やしていきたいですね。この前も青レンジャーの一人がご近所の方に声を掛けて、希望者を一人連れてきてくれました。それに出発式でオリエンテーションを行ったところ、「活動日を増やしてもいいよ」と言ってくれる方もいました。
……チラシや防災無線の他に、どんな風に呼びかけたのですか?
以前、子どもの安全を考える交流会を行っていたので、ある程度下地はありました。2年ほど前、子どもへの暴行事件が報道されたことがあったでしょう。それで、明和町内で防犯活動をしている団体の意見交換の場を持ちたいと思い、交流会を行いました。下校時にパトロールしている団体などには教育委員会が参加を呼びかけてくれました。二年間に渡り、数回会合を持ったのですが、その最後の交流会の時にも青色回転灯の話をさせてもらいました。
……募集の条件は?
一ヶ月に一時間ほど、車に乗って町内を回れることだけです。もちろん、青レンジャーが不審者を捕まえるのではなく、犯罪の抑止力と防犯の啓発になることを考えた活動ですから、不審者を見つけても接触せず、警察に連絡してもらうようになっています。
……それぐらいなら参加しやすいですね。
誰でも気軽にというか、負担が余り無いよう。そして、危険から参加者を守ることも、もちろん考えました。「何かしよう」という気持ちを持った方が来てくれるのですから、無理をしてしまったり、続かなくなったりしたら意味がありません。「やって良かったな」と思ってもらえるよう、考えながら進めていかなければといつも考えています。
青レンジャー出発式の様子。

理事長らしくない、理事長!?

……町の人の願いや希望をくみ取る方法は?
正会員さんやスタッフはもちろん、ここで出会ったいろいろな人と話をして、自分なりに感じることがあれば、それをカタチにするために提案していきます。提案しても通らないこともありますけど(笑)、みんなでワイワイガヤガヤ話して、たくさんの意見を出しながら確認していけばいいですね。もちろん、提案するのは私だけでなく会議に参加する人、全員ですよ。メンバーそれぞれがやりたいことをたくさん持っていますから、何が今、地域に必要なのかを考えてテーマを絞っています。
……意見をまとめるのが大変では?
メンバーにはいろいろな人がいますからね。企業で働いている方、主婦の方…。でも、それがセンターにとってプラスになっていると思います。それぞれの経験や価値観があるから、問題の解決策も出てきますしね。価値観には違いがあるのが当然ですから、時にはキツイ言葉になったり、議論になったりすることもあります。でも、それは皆さんがセンターのことを真剣に考えてくれているからこその意見ですから、自分に取り入れて、考えながらセンターにとって大事なことを決めていきたいです。私はすぐに決断できないので、もっと時間が欲しいなあとはよく思いますけどね(笑)。
……理事長として決断しなくてはいけないこともあるでしょう?
私は理事長と名乗るのも申し訳ないような、頼れない理事長で(笑)。リーダー像にもいろいろありますが、私は率先して前を行くタイプではなくて、「どうしたらいいと思う?」とみんなに聞きながら進んできました。だから逆に皆さんが「なんとかしなくっちゃ!」と思うのかもしれません。
……相談されればアイデアを考えますし、手伝う気にもなるのでは?
私は「一人の百歩より、百人の一歩」がいいなと思っています。だから、みんなと手を繋ぎあって、少しでも前進できればいいな。
……活動に参加するためのまず一歩を踏み出してもらう秘訣はありますか?
それはこちらが聞きたいくらい(笑)。これまでセンターを運営してきて、参加への第一歩を踏み出してもらうというのもセンターのテーマの一つだと思います。人をその気にさせるには何が必要か、これからも追求していきたい。でも、講座には参加するけれど、自分が主体的に活動する側になる人はまだまだ少ないかな。ぜひ企画の面白さを味わって欲しいですね。
……世古口さんは企画するのがお好きですか?
どうやって課題を解決するか、アイデアを出したり、企画することが大好きです(笑)。カタチになると楽しいですよね。
……センターの運営で心がけていることは?
センターでホッとして、「やるぞ」と思ってもらえたらいいな。ここに来てお話することで願いや望みが活動として実現したり、人と人とを繋ぐことができたら嬉しいです。「生きていてよかったな」と思うというか、かけがえないと感じられるものは、人と人との関わりの中で生まれてくると私は思っていますし、私自身もそれが大事だと思っています。一人で頑張るのではなくて、困った時には素直に「助けてください」と言える場所。逆に自分ができることは「手伝いましょうか」と言える場所にしたいと、センターを立ち上げる時にみんなで話し合いました。人に甘えるわけじゃないけれど、困った時には素直に言える、そんな社会になっていけばいいですね。

特定非営利活動法人 めいわ市民活動サポートセンター
515-0332 多気郡明和町大字馬之上944番地5
Tel.0596-52-7129 Fax.0596-52-7739
ホームページ http://www.ma.mctv.ne.jp/~hearvo/


世古口文子さんはこの人を紹介します。

川村 透さん
NPO法人伊勢志摩NPOネットワークの会で、事務局次長、協働推進部会部長として活躍されています。
おねがい
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